「君の名は。」と「君の名は」
- ito017
- 2016年11月27日
- 読了時間: 2分
映画「君の名は。」を観に行ってきました。菊田一夫脚本の昭和版「君の名は」は、昭和27年にラジオドラマとして放送された有名な作品です。昭和版「君の名は」は、何度もリメイクされており、私も、NHKの朝ドラで放送された昭和版「君の名は」を記憶しています。平成版「君の名は。」は、昭和版「君の名は」とは全く異なるものだと聞き、あれほど有名な作品と混同されるようなタイトルをつけていいのかな、と思いつつ、映画館に向かいました。 昭和版「君の名は」は、空襲の最中、東京の数寄屋橋で出逢った男女が半年後(半年後がだめなら一年後)に再会を誓うのですが、戦後の混乱の中、色々な事情でなかなか再開できず…といった恋愛ドラマです。約束の場所で待っていても相手はなかなか現れない。こういったすれ違いや誤解を何度も繰り返し、視聴者をヤキモキさせるストーリーでした。 現代は、スマホやLINEなど、便利な道具が揃っていますから、今の若い人たちは、約束の場所で、来るか来ないかわからない人を待ち続けるという経験ができません。昭和のヤキモキ感を現代で成立させようとすると、平成版のように、時空を飛ばす必要があったのだと思います。新海監督は、時空を飛ばすことで、会いたくてもなかなか会えない、連絡したくてもできない、という状況を作り出したのだと思います。昭和版は、「忘却とは忘れ去ることなり。」という有名なフレーズから始まります。平成版も忘却がテーマになっており…、なんてことを考えながら2つの作品を見比べると面白いかもしれません。
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