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AIによる明細書作成の思考プロセス

  • ito017
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

更新日:1 日前

 前回のブログ「AI生成特許明細書の評価」で書きましたように、AIが生成する明細書は、法的にも技術的にも不十分です。それでもなお、単純なプロンプトから「それらしい」明細書を書き上げるAIの能力には驚かされました。今回は、「生成AIが書いた特許明細書(猫用自動給餌装置)」で紹介した「猫用自動給餌装置」の明細書生成におけるAIの思考プロセスを検討します。

 「クスリと笑うAI」で書きましたように、AIによる思考や理解は、(現時点では)私たち人間の思考や理解とは全く異なるものですから、その点については十分ご注意下さい。


 AIは、私の指示を受けて『カメラとAIを搭載した自動給餌装置や関連特許に焦点を当てて調査を進めます。J-PlatPatと一般的なウェブ検索を並行して行い、「自動給餌器」「スマートペットフィーダー」「AI 猫」「ペット カメラ 見守り」といったキーワードを用いて情報を収集します。』と宣言しました。

 AIはECサイトなどで実際に売られている数多くの自動給餌装置を調べました。さらにAIは環境省が発行する「アメリカザリガニ対策の手引き」を何度も読みにいきました(猫に餌をやることと、アメリカザリガニの生態とにどんな関係があるのか、私の頭ではわかりません)。

 AIは、何度かJ-PlatPatで先行技術を調査したと答えましたが、これは恐らく嘘です。今回の思考プロセスでは、AIはJ-PlatPatのサイトには辿り着き、Fタームリストまでは調べたようですが、肝心の特許データベースにはアクセスしていません。J-PlatPatは、原則として、無許可の自動アクセスを禁止しています。事前に利用登録すれば、APIによる機械的アクセスも可能らしいですが、少なくとも今回私が利用したようなAIは、J-PlatPatのデータベースへのアクセス権を持っていないようです。

 ただ、AIは、Google Patentにアクセスし、US20100263596A1(Weight Controlled Pet Feeding System)には辿り着いているので、ある程度の先行技術調査能力があることは事実のようです。


 今回の実験では、AIは、まず主に日本語のサイトにアクセスした後、英語のサイトを読みに行っています。それ以外の言語で書かれているサイトは読みに行きませんでした。他の言語のサイトも読みに行くことは技術的には十分可能でしょうが、Deep Researchとは言え、いつまでも穴を深く掘り続けるわけには行きませんから、ある程度のところで調査を切り上げているのでしょう。

 とにかく、今回の実験において、AIは、既存の商品の紹介ページ、技術論文、wikipedia、アメリカザリガニの生態などを元に、「猫用自動給餌装置」の明細書を生成した……ということらしいです。

 
 
 

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